航空会社の上級会員制度について

上級会員

 飛行機に乗る際、専用ラウンジで待ち時間を過ごし、延々と並ぶ一般客を尻目に颯爽と優先搭乗していく連中。それが上級会員である。

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座席がアップグレードされることも

 彼らは航空会社へ大量のお金を落とす顧客だ。その結果VIP待遇となりリターンを思う存分に享受しているのだが、中にはその資格を得るために必要もないフライトに繰り返し搭乗する"修行"と呼ばれる謎の行為に励む者もいる。

 

JALとANAの資格保持カード

 一年の間にどれだけ飛行機に乗ったかで会員ランクが決定するわけだが、上級資格の維持のために毎年あちらこちらへ飛び回る必要はない。

 JALであればJALグローバルクラブカード、ANAの場合はスーパーフライヤーズカードという年会費のかかるクレジットカードを作成することで、それを解約しない限りは半永久的に上級会員の資格を得ることができる。

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ANA_SFCカード、プライオリパス、JAL_JGCカード

 ここでお気づきの方も多いだろうが、維持できるということはVIP会員は年々増え続けていくことになる。

 昨今では専用ラウンジにも人が溢れ、搭乗時には「優先の方どうぞ」のアナウンスとともに大量の上級会員達がわらわらと並び始める光景も珍しくないのだ。

 結局のところ彼らが高待遇を受けられているかは甚だ疑問である。

 

その魅力

 そんな訳で国内フライトに関しては効力の薄れてきている上級会員資格だが、海外旅行では存分にその力を発揮する。

 国内便のように資格持ちの出張族が多いわけでもないので快適にサービスを受けることができ、フライトの乗り継ぎで時間がある時にはシャワー付きのラウンジでゆっくりと過ごす選択肢もある。

 何より海外の空港でのチェックイン及び手荷物検査はやたらと時間がかかる事が多いのだが、それを短縮できるのがとても便利だ。

 アメリカで警戒の厳しい時期にあたると平気で1時間待ちの列に並んだりもするのだが、それを10分程で通過できたりするとさすがに上級会員のありがたみを感じる。

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空港散策が楽しいので、結局ラウンジ等使わない説

アライアンス

 先述したJALグローバルクラブ、ANAスーパーフライヤーズのカードを持っていると自動的にそれぞれの航空会社が所属するアライアンスの上級会員になれる。

 アライアンスというのは、簡単に言えば企業同士の提携グループのことで、JALはワンワールド、ANAはスターアライアンスという枠組みに入っている。

 JALの上級会員であれば同じくワンワールド所属のアメリカン航空便に乗った時にVIP待遇を受けることができるというわけだ。他にもフライトチケットを購入時に、マイルをアライアンス所属の別会社につけるといったこともできる。

 世界規模で見るとワンワールド(JAL所属)、スターアライアンス(ANA所属)の他にスカイチームを合わせて三大アライアンスと呼ばれている。

 スカイチームに関しては、少し前まで修行なしに某クレジットカードを作成するだけで上級会員になれていたのだがそのルートは消えてしまった。まあこのアライアンスに関しては日本の航空会社が所属していないし頑張って取らなくてもいいだろう。(ステータスマッチ等の話は省略)

 

その意味

 正直なところ、余程海外旅行が好きでなければ魅力が薄い制度ではないかと思う。

 私はeスポーツのビッグウェーブに乗るしかねえとプロゲーマーでもないのに毎月海外のゲーム大会へ参戦するという馬鹿みたいな生活を送っていたが、その荒行中ですら恩恵を受けられる機会は少なかった。

 時間が経つにつれ会員数が増えていくという特性上、「なんとなくステータスを感じられて気分が良い」以外の待遇特典は徐々に魅力を失っていく。

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どうせコロナ渦で旅行も難しいし

 クレジットカード自体にはそれなりの見返りがあるので、やたら飛行機に乗る年があってその結果上級会員になりクレカを作った。無理をせずにその程度の感覚で良いのではないだろうか。